マイにち×○ざんマイ

漫画やアニメやアイドルや(サブ)カルチャー的なものをムラのある熱意で語るブログ

なんでも正直に言えばいいっていうものでもない

誰でも、秘密の1つや2つあるだろう。あるいは、他人に知られたくないことを持っているだろう。

 

秘密があることそれ自体を苦しいと思うことはない。もし秘密を持ち続けることを苦しいと思うとすれば、それは、この人にだけは隠しごとをしたくないという大切な人に伝えていないことがあるという事実について苦しく思うのだろう。

 

自分のことを信頼してくれている人に言っていない大事なことがある。それだけで嘘をついているような気分になる。

いっそ、吐き出してしまえば楽になると思う。言ってしまえば隠し事はなくなるのだし、それが知ってもらいたくなかったことであればあるほど、言った相手はよく言ってくれたと思ってくれるだろう。

 

だけど、と、よく考えてみる。言ってしまって楽になるのは言ったその瞬間だけだ。相手も、言ったそのときは恕すだろう。「よく話してくれたね」といってくれるだろう。でも、そのあと必ず「やっぱり知られたくなかった」と思うときがくる。そうなってからいくらあのとき打ち明けたことを後悔しても遅いのだ。もう相手はそのことを知ってしまっていて、こちらが忘れてほしいからといってそう都合よく忘れてくれることなど決してないのだ。

相手は気にしてない風を装っている。あるいは本当に気にしていないのかもしれない。でも彼(又は彼女)が本当に気にしていないのかなんて、こちらにはわからない。彼(又は彼女)は本当はどう思っているのだろう。そんなことを気にしながら、一生彼(又は彼女)と付き合っていかなくてはならないのだ。

 

私も、ある時期まではなんでも正直に言えばいいと思っていた。だけどそれがいつも正しいというわけではないことをいつからか知った。

オカダ・トオルが奥さんに出て行かれて初めて気づいたように、結局他人のことを100%知ることなどできないのだ。あなたのとても近くにいる人のことだって、あなたが知っているのは彼(又は彼女)のほんの一部にすぎない。しかも、知らないのは些細なことだけじゃない。彼(又は彼女)にかんする結構本質的な事実だって知らないことがたくさんあるはずだ。わかっていると思っていることすら正確じゃないかもしれない。

 

ある事実を他人に言わないことは、必ずしも悪いことではない。言わないことがトータルで見て相手の幸せにも自分の幸せにもなることもあるのだ。打ち明けることはいつでもできる。しかし一旦言ったことを取り消すことは不可能だ。言ってしまえば楽になると思って衝動的に言ってしまう前に、立ち止まって考えたほうがよい。